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従業員生涯価値(ELTV)とは

働き方改革で労働生産性が重視される中で、エンプロイーエクスペリエンス(Employee Experience=略:EX)、エンプロイーサクセス(Employee Success=略:ES)と合わせて、従業員生涯価値(Employee Lifetime Value=略:ELTV)という考え方に注目が集まってきています。

これは従業員が入社してから退職するまでの期間でどれだけの成果を生み出すのか、という考えです。

ELTVは特に経営陣や人事が見ている指標ですが、「どれだけの成果を生み出すか=どれだけその従業員が活躍するか」ということなので、マネジャーの方にも関係するものです。

今回はELTVを高めるためにマネジャーができることについて見ていきます。

従業員生涯価値(ELTV)とは

ELTVとはEmployee Lifetime Valueの略で、在籍期間と組織に対する従業員の貢献度を推定したものです。

その従業員の「成果」を一つの軸に、在籍期間をもう一つの軸にしてグラフに表されます。

〈採用〜独り立ちまで〉

ほとんどの人は、採用後まず一人で十分に成果を出せる状態(いわゆる「独り立ち」)に向かっていくことになります。

独り立ちに向かっていく過程の中で、研修やOJTといった場面でリソースを割く必要があるため、一般的には成果はマイナスからスタートします。

〈独り立ち〜退職の決断をするまで〉

独り立ちした後も徐々に成果が高まっていきますが、いずれ頭打ちになります。

その後パフォーマンスが一定になり、大きくぶれることなく成果が出るようになります。

これは退職など、組織を離れる決断をするまで続きます。

〈退職の決断〜退職まで〉

組織を離れる決断をした後は、引継ぎや有給消化といった要因もあり成果が下がっていき、退職日に0になります。

この網掛けの面積がELTVであり、一人ひとりのELTVを高めることが組織として成果を出す一つのポイントになります。

ELTVが低いと採用効率が下がる

ELTVが低い、という状況は採用効率が悪くなる、ということを意味します。

採用効率を上げるためには、一人採用するためにかかった採用費分の成果を早期に出せるような状態になってもらうことが必要です。

ELTVが低いということは、「採用費分の成果が出ないまま退職になってしまった」「採用費分の成果が出るのに長期間かかってしまった」といった状況に繋がります。

つまり、採用コストに見合った成果がでないまま、人を採用すればするだけ企業として損をしていくということです。

ELTVを高めるポイント

ELTVを高めるためには、3つの方法があります。

・立ち上がりの早期化
・パフォーマンスの最大化
・勤続月数の長期化

この3つのポイントを実現することで、ELTVが高まっていきます。

ELTVを上げるための施策は、人事施策などにも絡んでくるため当然マネジャー一人の力で完全に左右できることはできません。

しかし、逆に現場のマネジャーだからこそできることも沢山あります。

例えば、入社後のこまめな1on1面談などは立ち上がり支援の一つになりますし、部下の仕事における直接的動機(目的ややりがい)を高めることで勤続月数の長期化に繋がります。

一つの組織で長く高い成果を出す、というのは会社だけでなく、何より本人にとっても大切なことです。

ELTVは単に数値的な視点だけでなく、部下の活躍を効果的に支援するためにも役立つ指標ですので、こういった観点も是非参考にしてみてください。

BELLWETHER

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