活気のあるチームとないチームの違いとは?
同じような役割を担う部署でも、組織やチームによってカラーがあります。
属している個々人の特性の違いも当然ありますが、集団になった時には、必ずしも個人の特性の総和が組織やチームの特性になるわけではありません。
活気のあるチームとそうでないチームの違いはどのようなところにあるのでしょうか?
チームとして機能するには
活気のあるチームの特徴として、大前提に挙げられるのが「共通の目標」「共通の優先順位や価値観」など、チームの構成が共有するものが何かしら存在しているという点です。
活気の有無の前に、本当の意味でのチームになり切れていないケースでは、個々人が自分のやるべきことをやっているものの、その価値を全体として認識していないことや、協力することの意味を受け入れられていないことが多くあります。
良い意味で、その組織が他の集団とは区別されるものを意識できているかが重要になってきます。
組織文化を決める要素
組織のカラーともいえる組織文化は主に5つの要素で整理できます。
この要素に関しては、所属するメンバーがその要素に対して同意し、ポジティブに支持をしていることも重要ですが、実態としてどのような言動や判断がなされているか?という観点での評価指標になります。
①結果にコミットメントしているか
目標や取り組むべき業務の水準や納期の達成に向けて、取り組むことを重視する。
仕事を淡々とこなすだけではなく、チームとしての共通の目的とそれをブレイクダウンした個々人の目標の達成に向けて、集中して業務を進めるという意識があるか?
活気のあるチームでは、結果に対するコミットメントが良い緊張感としてメンバーに認識されることが多い。
②プロセスにメンバーが関与しているか
上長がすべてを判断するのではなく、メンバーにも一定の裁量があり、上長と連携しながら判断して業務を進めることや、チームに関する意思決定にメンバーも参加できる。
一方的に指示を受けることが多い状況が続くことや、情報を共有しても打ち手の方向性が変わらないなどの意識をメンバーが持つようになるとチームの場での発信自体がなくなってしまうことに繋がりやすい。
③変えることに対して積極的か
これまでのやり方や考え方を状況に応じて、変えることに対して前向きに取り組めること。活気のあるチームでは、新しいことに取り組むことが奨励され、まずは試してみることの重要性をメンバーに認識してもらえるような価値基準の共有がされている。
一方で、失敗や非効率を許容しないという価値基準が浸透している場合には、変えないことのメリットが上回ってしまう。
④細部にこだわれるポイントがあるか
大きな方向性が示されている中で、メンバー個々人が自分の専門性や技能、知恵を発揮する細部へのこだわりが奨励されていること。
業務の標準化やナレッジの共有も行いながら、業務の中で個々人がデザインできる自由度があることが、個々の力を引き出す前提になる。
活気のあるチームでは、考え・試行錯誤する自由度が個々人に与えられていることが多い。
逆にマネジャーはプロセスや分析、具体的な業務・作業でこだわりデザインしてほしいことを明確にしている。
⑤成果を出すためにすべきことが明確か
個々人のミッションの遂行や目標の達成も大事だが、チームで連携することや情報共有することで、全体の成果があがるというイメージをメンバーが持てる状態であることメンバー個々人の担当領域が独立している場合にも、チームとして組織全体に貢献するという視点を共有することで、チーム重視の考え方で業務プロセスを設計するなどの工夫もできる。
個々人がやるべきことを着実に遂行するだけではなく、チームとしての力に変換して活気のあるチームを作っていく上では、5つのポイントから振り返ってチーム運営を見直していくことが効果的です。
これまでのやり方が浸透している強い文化を持つ組織ほどこうした組織・チーム運営の変更や意識改革を進めることが難しくなりますが、メンバー個々人のこれまでの経験から当たり前になっている部分の見直しを会話を通じて促すことや、マネージャー自身が自ら行動して、基準を周知させていくことで活気あるチーム作りを進めていくとよいでしょう。
参考:「組織行動のマネジメント」スティーブンP.ロビンス (ダイヤモンド社)