10冊に共通する「部下のやる気を引き出す」1つのこと
はじめまして、マネジメント支援サービスを提供しているKAKEAIの永原です。
マーケティングとカスタマーサクセスを担当しています。
自社サービスへの理解を深めるために、マネジメントについて勉強しました。
10冊ほど読んで、マネジメントの本には経営学的に書かれたものと、実務的な観点で書かれているものがあることに気付きました。
実務的観点で書かれている本には、部下のモチベーションをあげるための手法について、共通して書かれていることがあります。
やる気を引き出す最も大事なこと
部下のモチベーションを向上させるために共通して書かれていることは、部下に情報を共有するということです。
何故情報を共有することが大切なのでしょうか。
その理由と、共有すべき情報について紹介します。
「適切なアクション」が取れる
ある場面を想像してみてください。
あなたが担当しているサービスで、新しい機能をリリースする予定があります。
その機能によって課題解決ができそうなお客さんへ、サービス提案のアポイントが入りました。
あなたは部下に「次にリリースするこの機能の説明資料を作成してほしい」と依頼しました。当然そのアポイントで使う営業資料です。
ところが、部下から出てきた資料は、既に自社のサービスを利用しているお客さんに説明するための機能利用手順の資料でした…。
こういった部下との認識の違い、身に覚えはないでしょうか。
何のために資料を作成するのか、利用意図やその背景を共有しないと、部下側の認識がずれてしまいます。
認識がずれてしまうことで、部下側にも業務の手戻りが発生し、全体像が把握できないまま、部下のやる気が低下してしまいます。
達成すべきゴールとその目的、具体的なアクションを伝えることで、このような部下との認識違いを避けることができます。
「手応え」を感じられる
また、ある場面を想像してみてください。
例えば、上司に頼まれた書類を作成し渡した際に、「要点がよく纏まってるね!」というリアクションがあったとき、あなたはどう感じるでしょうか。
きっとモチベーションが上がり、次も頑張ろうと思えるはずです。
「大切なポイントがどこなのかこの資料からは伝わってこない。この部分に要点を凝縮させてくれ」というリアクションがあった時はどうでしょう。
一時的にモチベーションは下がるかもしれませんが、反省と改善をして良いアウトプットを出そうとすることでまたモチベーションが上がるはずです。
それに対して、「ん、見ておくわ。」で終わったらどうでしょうか。
自分の仕事がどう評価されたのかも分からず、やるせ無い気持ちになるのではないでしょうか。
このように、モチベーションを向上させるためには自分のアクション(書類作成)に対して手応え(上司のリアクション)が戻ってくるサイクルを保つことが大切になります。
この手応えはプラスなものである必要はなく、マイナスなものであっても、相手に手応えを感じさせることが大切です。
適切なアクションと手応えの循環
情報を共有することで部下は「適切なアクション」をとることができ、それに対して「手応え」が感じられる。
そのサイクルを自律的に回していくことで、モチベーションを向上させながら働くことができます。
ここで重要なのが、「適切なアクション」を取るための情報と「手応え」を感じるための情報はマネジャーが与えていくものだということです。
では、具体的に部下はどのような情報を必要としているのでしょうか。
適切なアクションを取るための情報
・組織に関する情報
会社がどのような状況になっているのか、所属組織がどのような方向性や目標を掲げているのか。
この情報を得ることで、部下は自分が属している組織が向いている方向と、組織の中で自分がすべき振る舞いが分かります。
・部下の業務に関する情報
与えられた業務をなぜ自分が担当するのか、その業務はどんな意味があるのか。
この情報を得ることで、部下は自分の担当業務の必要性と、どのように業務に取り組めばいいのかが分かります。
「手応え」を感じるための情報
・部下の業務に関する情報
その業務はどのように評価されるのか、最終的にどのような価値を誰に与えるのか。
この情報を得ることで、担当業務が補助的なものだったとしてもアクションに関する手応えを感じることができます。
・部下に関する情報
自分はどのように評価されているのか、上司は自分のことをどのように思っているのか。
この情報を得ることで、部下は組織における自身の必要性を手応えとして感じることができます。
部下が自分で得られる情報には限界があります。
マネジャーから積極的にこういった情報を共有して手応えを感じてもらいましょう。
人は組織に居ながら情報を与えられないと不安になります。
その不安は不満に変わり、最終的には組織やマネジャーへの不信感となります。
マネジャーにそのつもりが無かったとしても、部下は情報が与えられないことで「信頼されていない」「大事に思われていない」と感じてしまいます。
そうなる前に、適切に部下に情報を共有することが大切です。
無意識のうちに行っている方も多いと思いますが、意識的に行っていくことでより部下のモチベーション向上につながります。
今回は私が手にとった本で共通して書かれていることをまとめましたが、マネジメントについて分かりやすく説明されている本は沢山あります。
マネジメントに正解はなく、マネジャーと部下の組み合わせによって変わってくるので、様々な考え方や価値観に触れて自身のマネジメントをアップデートしていただければと思います。