部下育成に効果的なコミュニケーションスキル
マネージャー(上司)と部下が仕事をしている中で、様々なやりとりがあります。
業務の進捗確認や進め方についての確認をするなど、「業務を進める」コミュニケーションの中で、ひと言褒めることで部下をより良い方向に促すことができます。今回は効果的な褒め方と叱り方について考えてみましょう。
効果的な褒め方
褒めるというのは、「他者の行動を優れていると評価し、そのことを称えて伝える」行為です。
マネージャー(上司)と部下の関係においては何かしらの部下の言動に対して評価をする中で、ポジティブな評価をしていることは多々あるもののそれを伝えることが少ないようです。
「褒めること自体に心理的な抵抗感がある」「業務を進めていくことを意識していると部下にフィードバックするのを忘れがち」というマネージャー(上司)の声も聞かれます。
行動経済学的に考えれば、マネージャー(上司)として「またやってほしい」「継続してほしい」ことを伝えることは好子(行動を強化するもの)として機能するため認識を率直にフィードバックすることは連携をしていく上では、より良い効果を発揮する可能性が高くなります。
特筆すべき成果があった時以外には、マネージャー(上司)の立場からみて今後もやってほしいことを伝えるというくらいで捉えた方が効果的褒めることにつながることもよくあります。
また、取り組み方などの事実として「〇〇をがんばっていたよね」などと見ていて気付いたことを伝えることや、感謝の気持を表して労うことは日常的にもできる声かけとして取り入れていくと、マネージャー(上司)が見てくれているという安心感が生まれます。
叱り方・指摘の仕方
効果的な叱り方を考える上、まず叱ることと怒ることの違いを確認してみましょう。相手に怒られたと感じる時は、感情をぶつけられたと感じているケースが多いです。
腹をたて、興奮して気を荒だてながら伝えたことは、声や表情などのノンバーバルなメッセージばかりが印象に残りその内容が実は伝わっていないこともあります。
一方で、叱ることは「改善点を指摘し、導き・示す」ことです。
事実をもとに何が悪かったのか、同じことを繰り返さないためにどうしたらよいかを伝えることで次につながる指摘になります。
業務を進めていく上では、より良い成果をだすために指摘することが多くなりがちですが、「またやってほしい」ことを伝え、認め労うこととのバランスをとることが必要です。
「ありがとう」と気持ちよくつたえることだけでも部下に安心感を提供することにつながるでしょう。