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コミュニケーションの 質を高める

今どき若手の仕事観を若手が考察してみた

「今の若いのは…」という言葉がよく聞かれるように、生まれ育ったカルチャーの違いから「Y世代」「Z世代」といった若手メンバーとのコミュニケーションに苦労しているマネジャーもいるのではないでしょうか。

Y世代もZ世代もアメリカのカルチャーを元にした考えです。そっくりそのまま日本に当てはめることは難しいですが、1994年に生まれた私は「Y世代」と「Z世代」の狭間にいると言えます。

今回は、Y世代とZ世代の間にいる私が、若手とのコミュニケーションを考察していきます。

Y世代とZ世代

ミレニアル世代、という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

色々な定義がありますが、一般的にミレニアル世代とは、アメリカ等において1980年代初頭〜1990年代前半に生まれた世代のことを指し、インターネットの普及に始まるIT技術の進歩とともに成長してきた世代であり、「Y世代」とも言われます。

Y世代とは、様々な電子機器が普及した時代に育ったデジタルネイティブの世代です。

この記事を読んでいる方の中には、Y世代に当てはまる方もいるのではないでしょうか。

このY世代に後続するものとして「Z世代」という世代がありますが、これは1990年代後半〜2000年代初めに生まれた世代を指します。

Z世代は生まれた頃からIT技術や製品に囲まれ、10代の頃からソーシャルメディアに慣れ親しんでいるソーシャルネイティブの世代と言われています。

私の10代を振り返っても、GREEやmixi、Twitter、FacebookといったSNSに登録していましたし、周囲の友人の多くがこのようなSNSを通じて自分の生活や考えを発信していました。

中には目的に応じて複数のアカウントを使い分け、SNSで知り合った人と繋がっている友人もいました。

そんな技術の進歩とともに育ったY世代、Z世代について様々な視点で書かれている本や記事、調査が数多くあります。

そんなデジタルネイティブ、ソーシャルネイティブなY世代、Z世代の働き方という点に目を向けてみます。

一般社団法人日本能率協会KAIKA研究所が2019年に実施した「入社半年・2年目 若手社員意識調査結果」によると、転職に対する考え方について「転職はせず、今の会社に定年まで勤めるつもりである」「今のところ、転職することは考えていない」と答えた人と、「転職することを検討しているが、特に行動はしていない」「転職することを検討し、近いうちに転職活動を始める予定である」「現在、転職活動をしている」と答えた人が半々でした。

一方、約半数が転職サイトには登録しています。

特に、「転職はせず今の会社に定年まで勤めるつもり」と答えた方の6割が転職サイトには登録しており、具体的な転職意向に関わらず転職サイトに登録しているということが分かります。

つまり、常に意識の片隅には転職という選択肢があるということです。

また、約3割が副業をしており、収入口を複数持っています。

「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」という本では、一昔前の時代と比べて生まれた時から大抵のものが揃っている環境で育った今の若い世代は、物やステータスを欲して頑張ることができない「乾けない世代」と表現されています。

確かに、生まれた時から日本社会は豊かで生活に困ることはありませんでしたし、いわゆる「野心家」というような人は周囲にもいませんでした。

本書では、そんな若者が求めているのは物やステータスではなく「意味合い」「没頭」「良好な人間関係」と言われています。

物に満たされた日本社会において、ソーシャルメディアに触れてリアルなコミュニティ内外で人と関わりながら育ってきた、物やステータスといったものではなく意味合いや没頭を仕事に求める世代。

これがいわゆる今の「若手」と呼ばれる世代でしょう。

世界は閉ざされていないということ

趣味を分かち合える友人がいないとき

自分が知りたいことに詳しい人が周囲にいないとき

リアルな人間関係に馴染めないとき…

私を含む若手は、知人だけでなく会ったことのない人ともSNSを使えば簡単に繋がることができる、ということを知って育ちました。

スマートフォンのアプリを開くだけでそこにはリアルだけでは知り合うことのできなかった人との繋がりがあり、自分が知りたいことを知っている人がいます。

副業や転職もその延長で、身近ではないものまで含めて選択肢にするということがごく自然に行われます。

これらはつまり、今置かれている場所で全ての物事を解決する必要がない、ということです。

自分が伸ばしたい能力を今の業務では伸ばせないと感じたときはそれを副業で補うことができますし、何か悩み事がある時に必ずしも上司に相談をする必要はありません。

少しネガティブな例を出すと、今の仕事が嫌な時は何とかやりくりしようとせず、転職してしまえばいいのです。(勿論、その転職が良いか悪いかは別の問題です)

更に踏み込んだ話をすると、マネジャーはその一挙手一投足を常に外と比べられることになります。

前述の通り、悩みの全てを上司に打ち明ける必要は(本人からすると)無いですし、SNS等では多くの人が(時には無責任に)マネジメントに関する持論を展開しています。

無責任に、という表現をしたのは、言うは易し行うは難しで、外からは何とでも簡単に言うことができますが、実際のマネジメントは一筋縄ではいかないからです。

しかしながら、部下はその苦悩を理解し切ることもまたできません。

若手は、世界は閉ざされていないということを知っています。

ですが、取り繕われた情報を鵜呑みにしてしまう人がいるのも事実です。

時にはその取り繕われた世界と比較される、ということは意識しておきましょう。

自分の存在意義を求めるということ

今の若者世代は「乾けない世代」と評され、物やステータスではなく「意味合い」「没頭」「良好な人間関係」を求めている世代だと前述しました。

では物やステータスを欲して頑張ることができない乾けない世代こと若者は、仕事自体を頑張ることができないのかというとそうではありません。

生まれた時から無いものが無い若者は、所有物ではなく体験に意味を求めています。

自分が意味があると思うことに対してどれだけ「没頭」できるかということです。

一例を挙げると、欲しいのは高級車ではなく、レンタカーだとしても誰とどこに行ってどんな体験をするか、です。

仕事という観点でいうと、何故自分がこの会社にいて、何故その仕事をしているのかを求めています。

お金やステータスのために1日8時間をつまらないと思いながら消費することに強い抵抗感を覚えますし、本人にとって仕事が辛いだけになってしまっていると、前述の通り転職に抵抗感のない若者は当然のように転職を考えます。

逆に、例え辛くてもその仕事に意味を見出すことができれば没頭して突き進むことができるのも若手の特徴です。

仕事に対する意味合いを感じられていない人に対しては、納得感のある意味づけをするのもマネジャーの大切な役割の一つではないでしょうか。

その人次第だということ

これまで述べてきたことと矛盾するようですが、とはいえその人次第です。

一口に若手と言っても、生まれ育った土地も学び舎も違います。

世代の中で共有された文化は確かにあり、そこから似たような価値観が醸成されるのは事実ですが、その価値観を翻すほどの原体験を持っている人もいます。

その価値観は、前述までの若手の価値観の傾向にずばり当てはまるものかもしれませんし、逆に全く当てはまらないものかもしれません。

しかしそれぞれに大切にしている価値観は(若手に限らず)必ずあります。

ということを意識して、メンバーに接すること。それがマネジャーとしての第一歩です。

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