アサーティブコミュニケーションとは
アサーション、アサーティブと呼ばれるコミュニケーションの方法があります。
自分の考えや要求を表明する権利が誰にでもあり、お互いを尊重しながら自己表現することでより良い人間関係の構築をするためのコミュニケーションスキルです。
マネージャー(上司)と部下がコミュニケーションをする時には、相互の考えや気持ちを伝えあうことで何かしらの業務や活動の状態を確認し、成果に向けて活動を推進することが目的になります。
そのため、マネージャー(上司)と部下が話をする時には、マネージャー(上司)側が自分の視界や物の見方に基づいて自分の考えを主張することが多くなりがちです。
経験や業務に対する知見を有するマネージャー(上司)側の意見や考えの妥当性が高い場合も多くありますが、あまりにマネージャー(上司)の見方に寄りすぎていると部下側はマネージャー(上司)が“攻撃的”(アクティブ)な主張をしていると感じることもあります。
そのような場面が繰り返し起こることによって部下側は、自分の意見を押し殺してマネージャー(上司)の意見に合わせるようになります。
自分の意見を表明する機会がなく、何かしらの考えを伝えても否定されたと感じると自分の意見を考えないようになるという傾向もでてきます。
これは、“ノンアサーティブ”(非主張的)なコミュニケーションだと言えます。
“攻撃的”(アクティブ)でも“ノンアサーティブ”(非主張的)でもなく、お互いを尊重しながら相互に意見交換を行うためのコミュニケーションスキルをアサーティブコミュニケーションスキルと呼びます。
アサーティブコミュニケーションの基本として、相手を自分と対等な存在として誠実に向き合うこと、自分の考えを率直に伝えることなどが挙げられます。
「相手に向き合い視線を合わせて、ゆっくり落ち着いて話す」「相手の話を遮らず、うなずいて聞く」「相手の言葉を繰り返して、話を促す」といった方法の他にその実践にはたくさんの技法があります。
例えば、「自分」を主語にして述べることで、過剰に相手に立場の違いを意識させずに「一つの物の見方」として自分の意見を伝えることができます。
また、意見が合わない時でも相手自身や相手の話したことの全体を否定するのではなく、賛同できる部分を伝えることで、相手との会話を深めることが可能になります。
また、意見の違いがあるときに、同じチームであることを意識して自分と相手を「私たち」として、主語にして語ることで、共通の目指す方向性を確認することも有効です。
率直に話をしながら、合意点を見つけ、相違点をどう取り扱うのかを一緒に考えていくことでマネージャー(上司)と部下が連携しやすくなります。