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マネジメントを変える

僕がマネジメントで大切にしている原則

今回は、株式会社GA technologiesの毛塚友也さんにお話し頂きます。毛塚さんは、大手人材サイトやHR系サービスでマーケティングの業務を行いつつ、プロジェクト単位でのマネジメントや組織そのものの立ち上げなど、これまで様々な状況でのマネジメントに携わり、現在もコロナ禍の中、日々現場でのマネジメントに奮闘しています。そんな過去と今の経験を踏まえた、毛塚さんのマネジメントの心構えは今課題を感じている方の参考になるかと思います。

●紹介文
毛塚友也(マーケター・チームビルダー・2児の父親)
株式会社GA technologies Product Planning Divisionへ2020年4月より勤務。
不動産売買・賃貸・投資・リノベーションの不動産テック総合ブランド 【RENOSY】を扱う同グループにて、高級賃貸仲介サイトのモダンスタンダード等のサイト運営を担当。熱いハートと強いWILLでお客様に最高の体験を提供する事を常に考えながら、プロフェッショナルにやりきる最高のチームProduct Planning DivisionでPdMを担う。

2020年の4月に中途で入社したGAテクノロジーズでプロダクトマネジャーとして奮闘している毛塚です。マーケティングの経験をベースにキャリアを積んでいるので、最近はPMM(プロダクトマーケティングマネジャー)としての役割を意識して、日々精進しています。

これまで、ECや人材系メディア・人材コンサル会社でデジタル領域を中心としたマーケティングを担当してきました。特にCJM(カスタマージャーニーマップ)などで可視化したユーザーの行動を起点に考えた施策の実行と、コミュニケーションをベースにしたチームマネジメントが得意です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で情報とそれを伝達する手段、取得する手段も多様化し、ビジネス環境も変化が激しくパラダイムシフトが断続的に起きやすくなっていると感じます。そのような環境下で個性やスキルセットが多様化していく状況があるので、個々のマネジャーの軸がしっかりしていないと、チームビルディングができないと考えています。

そこで今回は、マネジャーやリーダーとしてチームビルディングに関わってきた経験で見出してきた僕なりの「原則」を整理しました。マネジメントを行う中で僕の軸となっている原則です。

ベンチャー企業で若くしてマネジャーを任されたり、大手企業でリーダーとして事業の立ち上げを経験したり、30代後半で転職して、そこからマーケティングチームの立ち上げを任され部長になったりと様々なシチュエーションでの実体験から見出してきた、マネジメントにおける僕の原則です。

今回はマネジメントに、自分なりの原則を持つ大切さを考えるのがテーマです。
これからチームマネジメントを勉強される方、新任マネジャーの方、マネジメントには興味が無いけど任される事になった方、次世代のマネジャーを育てようと思っている管理職や経営者の方の参考になると幸いです。

チームのメンバーとは

 

 

最初に一つ質問です。

皆さんがチームのリーダーとして仕事に向き合っているとして、そのチームのメンバーとはどういう存在でしょうか。どんなイメージが浮かんでくるか、それをどう言葉に表せるか、少し考えてみてください。

どのようなイメージや言葉がでてきましたか。

  • 時間を共にする大切な仲間
  • 同じ目標を追求する戦友
  • 守るべき部下
  • 自分の夢を実現する為に必要なビジネスパートナー
  • 上下関係なく競争する 相手、ライバル
  • いつも好き勝手やっている自由な人たち
  • 厳しい意見ばかり言ってくる人たち

例えばこのような感じでしょうか。

今の状況で最も強いイメージが浮かんでくると思います。特定の方がイメージとして出てくるかもしれません。マネジメントに悩んでいる方は正直ネガティブなイメージが先にくるでしょう。

個々の感覚なので正解はありませんが、今どうやってチームのメンバーと向き合っているか自分自身の感覚が現れるはずです。

メンバーに対するイメージについて考える

僕は、メンバーに対するイメージを整理する事が、マネジメントにはとても大切だと考えています。たとえ仕事やプライベートが忙しく、時間や気持ちの余裕がない状態でも絶対にぶれない軸になる、重要な要素だと考えています。ですからメンバーが僕にとってどのような存在かを常にイメージして言語化するようにしてきました。

これまでのキャリアで様々な経験を積みながら、気づくとこのイメージが僕の中で固まって言語化できた事で、それが原則となってマネジメントに誇りを持って向き合う事ができるようになりました。

この流れで僕がこれまでのキャリアの中で整理してきたイメージを説明します。
明確に言語化して、常に考えているイメージ、それは「一人の人」であるという事です。

たまたま定義された上下関係や組織というフレームで装飾されているものの、本質は「一人の人」であるというイメージ。自分と同じ「人」で、誰とも被らない「一人の人」という考え。僕のマネジメントの原則に繋がっていくチームのメンバーに対するイメージです。

それぞれのキャリアの長い道のりの中、本当に奇跡的なマッチングで一緒に働くことになった「一人の人」というイメージです。

一人の人として向き合うという原則

僕は、20代の時に売上を拡大していたECベンチャーで初めてマネジャーになってから15年間、様々な企業でマネジャーやリーダーとしてチームのメンバーと向き合ってきました。

いくつもの新規事業に携わりながら、新しいチームの立ち上げを何度か経験し、多くの優秀なメンバーをマネジメントする機会に恵まれました。1on1やランチや飲み会、プライベートも含めて本当に沢山コミュニケーションしてきました。

その中で、僕にとっては大きな気付きがいくつかありました。

大なり小なりバラツキはあるが、仕事で結果を出したいという思いは共通
キャリアパスが整理できず将来に不安が出てくると悩みは深くなり、時には離職にも繋がる
関連性の強い部署との人間関係が悪い時の悩みは迷宮入りする
自分自身の成長や経験値に停滞を感じる時の悩みはこじれやすい

そして、この②〜④の悩みを超越するプライベートの色々な悩み。

目標が達成できないという悩みより、このあたりの悩みが先に来ることが多いなと。そしてこれらは僕から見ると、ビジネスマンというよりも、一人の人としてそれぞれのメンバーが自分と向き合っている事なのだなと感じました。仕事でうまくやりたい、結果を出したいと思っていても、それを実現できない要因は一人の人としてのとても人間的な悩みである事が多いと。コミュニケーションを重ねれば重ねるほど、一人の人として悩むメンバーの姿を多く見てきました。

そして、一人の人として向き合う事ができなければ、仕事でパフォーマンスを発揮する為に必要な課題の解決、解決するべき悩みを本質的には開示してくれないという事に気付きました。それは結果として「一人の人」として自分自身も向き合ってもらうという事につながります。

その結果として、「一人の人として向き合う」事が、チームで結果を生む為のサイクルを生み出す上では必須の事だという思考の整理に繋がりました。仕事上の人間関係の交通整理を行って、キャリアパスを描くサポートをして、仕事の目指す方向や目標を共有し、将来像を描く事でメンバーのパフォーマンスが上がり、結果を生み出すという事にたどり付きました。

一人一人と丁寧に向き合いながら仕事を進めていると、マネジャーとして甘いと思われる事もありました。ですから、メンバーにプロフェッショナルにコミットしてもらうことはかなり強く意識しています。

そもそも一人一人と、人としてしっかり向き合う事が、自分としてもメンバーに対してもそれぞれの成長に繋がり、結果としてチームで成果を出せる、会社に貢献できるという信念を持ってやっているので結果に対する執着心は人一倍強くなりました。

マネジメントにおける僕の原則

「一人の人として向き合う事でお互いが仕事を通じて成長する」というのが僕のマネジメントにおける大原則です。

「一人の人として向き合う」ことは、僕がここ数年のマネジメントで最も大切にしてきた事です。 その原則をベースにマネジメントに向き合っているので、しっかりと傾聴しますし、現在認識している僕自身の課題や悩みも開示します。

前提として、マネジャーとしての能力を成長させてくれるのはチームのメンバー以外に他なりません。上司でもなければ自分自身でもない。マネジメントの現場における、メンバーとの実体験以外には無いと考えています。ですから双方向で何度もフィードバックをしながら、お互いが仕事を通じて成長していく関係を構築します。

一人ひとり「人として向き合う」事は、メンバー個々の人としての課題に向き合うことになり、年齢や、性別、キャリア、スキルセットを問わず汎用的なマネジメントを行う事ができると実感しています。

そのようにして、どんなメンバー構成でも対応できるようにマネジメントスキルが高くなれば、チーム単位での成果が生まれやすくなり、結果として会社に貢献できる生産性の高いチームを生み出していく事ができます。

生産性の高いチームは、結果として個々の長所に基づいたスキルが高くなっている状態が実現できているはずなので、メンバーも自らの専門性や目標に対する意識もあがり結果も出やすく、かつマネジメントを意識できるスキルセットが備わった人材を育成する事にも繋がるはずです。

この状態が維持され生産性の高いチームを構築する文化が継承されていけば、必然的に新しいリーダーにマネジメントを任せたとしてもそのような機能性が高いチームが再現されていくはずです。

一人の人として向き合いながらマネジメントを行うと、目標に対しても双方向のコミュニケーションのもと設定されていきますから、目標設定にも妥協はなくなり、しっかりと向き合って議論することでマネジャーとしてもメンバーの目標を自分ごと化できるので、一体感が生まれます。

一人の人として向き合うことで、高い成果を生み出すビジネスパーソンとして成長してもらう。そして向き合いながらお互いが成長する体験を通して、コミュニケーションを通してお互いを高め合う重要性を理解してもらう。その合理的なチームワークが、会社を成長させる。

「一人の人として向き合う事でお互いが仕事を通じて成長する」という原則があるので、僕は迷うこと無くマネジメントの重要性を意識しながら、そこに振り切って突き進む事ができています。

最後になりますが、もし皆さんがマネジメントに迷ったり、悩んだり、もう一つ上のステップを目指したいと思った時、まずは自分の中で揺るがない拠り所となる原則を構築して、邁進してみてはいかがでしょうか。

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BELLWETHER

Bellwetherは、現場をなんとかしたいと思っているリーダーに向けて発信する、マネジメントメディアです。株式会社KAKEAIが運営しています。これから管理職に就こうとしているリーダーに、マネジメントとは何かを感じ取るための、様々な考え方や理論、組織を牽引するリーダーの考え方を幅広く紹介します。多様性を楽しみ、解なき複雑な時代に挑むリーダーを応援します。

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