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マネジメントを変える

いい人だけど頼りない上司 原因は認識違いかも 

「優しいマネジャー」と言われて、どんな人を思い浮かべるでしょうか。
一般的には上司の「優しさ」は部下にとって嬉しいことだと思います。

でも、その「優しさ」によって、部下との関係性に悩むマネジャーがいます。
メンバーのことを想って関わっているのに、メンバーのことを心配しているのに、なぜだかメンバーと上手くコミュニケーションが取れないこともある。

自分の「優しさ」に苦しみ、自分の中にある「嫌われたくない」という思い込みを乗り越えてたマネジャーAさんのエピソードを紹介します。

上司の理想と部下の理想が違う

Aさんは、とても優しく、周囲からも慕われ、これまでOJTリーダーや新入社員の育成リーダーを任せらるような人でした。

Aさん自身も後輩の面倒を見るのが好きで、困っている人がいると話を聞かずにはいられない性格で、特に若手メンバーの相談窓口として組織の中で認知されていました。

そして、マネジャー昇格の基準として業績成果が重要視される組織の中で、そのサポート能力が買われ、マネジャーに抜擢されることになりました。

しかし、自分の部下になったBさんとは、何故だか上手く信頼関係を築くことができませんでした。

Aさんは自分自身のこれまでの自分自身の後輩や若手メンバーへの関わり方が上手くいっていたこともあり、そのままのスタイルでマネジメントを行っており、何故Bさんとコミュニケーションが上手くいかないかがなかなか理解できませんでした。

Aさんはこれまでの自分の上司との関わりの中で、話をじっくり聞いてくれる、寄り添って共感してくれる上司とは関係性が良く、自分にとって「優しい」上司が理想であり、自分自身もマネジメントをする中で、部下にとって優しく、寄り添える上司であることを強く意識していました。

しかし、それ自体が自分の思い込みであり、自分自身が期待する上司像を部下のBさんに押し付けていることに気づきました。

なかなかコミュケーションが上手くいっていないことに悩んでいたAさんは、改めてBさんが何を期待しているのかを聞く機会を自らもうけ、初めて率直にBさんが求めていることを理解することができたのです。

Bさんは、転職してきたばかりであり、前職は何より成果を重視し、一緒に仕事をしてきた上司は先頭に立ってひっぱり、厳しいけれども具体的なアドバイスや自信を持って意思決定をしてくれるような存在でした。

つまり、Aさんがなりたい上司像とBさんが求めている上司像が大きく乖離していたのでした。

どちらが悪かったというわけではなく、お互いにこれまでの経験から思い描いていた上司像が異なっていたことが、関係性のすれ違いの1番の原因でした。

自分の経験が足枷になる

Bさんとの認識の違いに気づけたことで、Bさんに対する苦手意識は少しずつ薄れてきたものの、それでも自分の関わり方を大きく変えることはできず、どうすれば良いのかとAマネジャーは悩んでいました。

そんな時、Aマネジャーは良く相談をしている部長からマネジメントの仕方について話をしている際に言われた一言が、自分の中にある壁を振り払ってくれました。

「自分が部下だった時に、厳しい上司のことが嫌いだっただけで、Bさんが自分と同じとは限らないんじゃない」

Aマネジャーはこれまで厳しくするとBさんに嫌われるのではないかと思って、上手く関わることができなかったのですが、この言葉を聞いて実はそんなことはないと知りました。

自分が厳しくすることに抵抗感があっただけで、相手の求める対応と自分の視点がずれていることに気付きました。

その話をBさんにしてみると、
「そんなこと思ってたんですか。僕はAさんの優しいところはすごく好きです。でももっと厳しくしてくれた方が嬉しいなと思って」
といった反応だったそうです。

そこからは、Aマネジャーが元々持っている愛情溢れる優しさだけでなく、
感じたことや思ったことを率直にBさんに伝えられるようになり、これまで以上にコミュニケーションが上手く取れるようになりました。

このエピソードからAさんが学んだことは何でしょうか。
それは、部下も上司も一人の人間であり、それぞれ求めていることが違うということです。

コミュニケーションが上手くいかないことの最初の原因は、期待のすれ違い。
過去の経験から自分自身の思い込みができてしまっていることが原因だったとAさんは改めて感じたそうです。

「相手が求めていることは何か」「自分の中に勝手に壁を作っていないか」、この二つに目を向けることが部下と接する上でAさんが大事にしていることだと言います。

BELLWETHER

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