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【HR Tech】 中国のEラーニング市場

世界でもEラーニングのプラットフォームの活用が進んでいます。日本のHRTechカオスマップでは36件)コロナの自粛やロックダウンの中国のHRクラウドマップで確認できる限り、E-Learningに該当するは12ほどです。

サービス数だけ見ると、企業向けEラーニング市場の成熟度はあまり高くないように感じるかもしれません。

しかし、中国はWechatやDidi、キャッシュレス化に代表されるように独自のデジタル化が進展しています。

それなのになぜ企業向けのEラーニングのサービス数が日本の1/3しかないのでしょうか。

中国のEラーニングは検閲対象!?

実のところ、中国の子供や学生向けサービスを含めたオンライン学習市場自体は、2010年前後の勃興以来他のオンラインサービスと同様、受け入れられるのは早く、市場自体は過去5,6年間で飛躍的に拡大しています。

国民の間では、手軽に勉強ができる個人向けのE-Learningは大きなブームにもなっていました。

では中国の企業向けEラーニング市場はどうしてこの規模で止まっているのか?

他国の市場を見れば、企業向けだからこそ、サービスの競争が激しいはずだと考えられます。
その理由は、中国の政策にありました。

ご存知の方も多いですが、中国国内のインターネットアクセスは管理されており、FacebookやGoogleなどにアクセスできないようになっています。そしてインターネットの制限だけでなく、国内ではメディアに露出するものは検閲されるのが基本です、紙媒体からテレビなど、全てが対象になります。

そして、中国国内では、「政治」、「民族」、「宗教」関連を除けば、「教育」と「インターネット」が比較的に神経質になりやすいトピックとなっています。

その二つの要素が一緒に組み込まれたE-Learningが政策の制限を直接的に受けるようになったのは2018年です。そ

れ以降中国でのオンライン学習に関連する法律がきびしくなる中で、参入障壁が高くなってしまっているのです。

実際海外から中国にHR Techで進出している企業で、E-Learningのサービスを有しているにもかかわらず、中国ではEラーニングの領域の事業を展開していないことがほとんどです。

今回は中国国内で創設され、拡大しているサービスを3つピックアップしてご紹介します。

中国のEラーニング3選

1.Caibei

中国ではUberによく似たDidiやWeiboなどでよく見られる、海外で人気のあるサービスを国内で再解釈して、いいとこ取りしながら新たにサービスを展開していることも多々ありますが、HR Tech業界も似たような現象が起きています。

こちらで紹介するのは「采贝(ツァイベイ)」というEラーニングのサービスで、中国広州市の地下鉄「広州地鉄」社でVRの研修の導入や、国家質検総局に長編ドキュメンタリー番組でのオンライン学習を行うなど、中国の国営企業向けてEラーニングを提供した実績を持った企業です。

この企業の特徴は、上述のVRとドキュメンタリーの2つの事例で見られるように、Eラーニングという形は取って、テクノロジーは駆使するけれど、あくまでクライアントに合わせて様々な最新技術を良いところ取りし、プログラムをオーダーメイドしているところとなっています。
専門職や特殊な業務で汎用カリキュラムでの研修が難しい顧客向けのサービスと言えるでしょう。

2.Geekbang

続いてはギークバングという媒体やオンライン会議、SNSなども兼ね備えたIT関係者専門のオンラインプラットフォームで、そこのEラーニングの個人でも契約が可能ですが、企業版も提供されています。

様々なIT技術を習得するプログラムがあり、通常のオンライン授業から、マイクロラーニング、1日ワンレッスンのカリキュラムがあったりと、個人のペースで進めることができます。

企業で申し込む場合は、勉強したい個人に向けての福利厚生として提供することも可能ですし、プログラムを限定して研修として導入することもできます。

個人の学習進捗をダッシュボードなどで確認できるのはもちろん、SNSが備わっているプラットフォームになるので、同僚の間で進捗を確認してお互いに励ましあったりできる機能もあり、孤独になりがちのオンライン学習も捗りやすくなる工夫がされています。

各領域の専門家の監修を受け制作されているコンテンツが多く蓄積されているため、今後IT業界の大きなデータベースとなる可能性があるプラットフォームです。

2.Eddic

最後にこちらは優秀な講師を抱え、公開授業及び企業内で研修を行う、研修会社のエディストレーニングセンターという企業です。

2020年現在でもエディスの基本のスタンスとして、対面で実施する企業の研修は引き続き行っており、社内でも体験授業ができる様に講習室を設けていますが、事業のピボットを行ってEラーニング参入した形となったサービスです。

学習内容は主にOfficeの活用、パブリックスピーキング、ロジカルシンキングといったプロフェッショナル育成に関連する内容となっています。

中国国内のコロナによるロックダウンを受け、抱えている優秀な講師陣と多くの大手のクライアントと一緒に、オンライン授業にピボットし、デジタル化に成功した一例と言えます。
ここでも比較的に専門的な分野が提供されていることがわかります。

中国のEラーニングまとめ

以前の記事で中国HR Techは膨大な人口を如何に効率よく管理していくことがメインでのツールが特に多いとご紹介しました。
しかしこの様に、Eラーニングに関してはどちらかというとプロフェッショナル育成や専門職向けのサービスが多く見られ、HRMとHCMツール、リクルーティングのサービスで見られる「人口の多さによって増えていく業務を、効率化をしないと現場が回らない」ような現象ほど、影響を受けている印象が薄いです。

中国の企業向けEラーニング市場の3つの例だけを取り上げましたが、全体的に見ても専門的な分野、プロフェッショナル向けの内容が目立つ状況となっています。

その一因として、企業が専門性の高い領域であれば、より教育予算を捻出しやすい分野であることがと考えられます。
中国の企業向けEラーニングが今後どの様な発展を遂げるか、引き続きモニタリングして行きたいと思います。

▼前回の記事はこちら

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