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コミュニケーションの 質を高める

若手は飲みニケーションが嫌いって本当?

上司との飲み会を避ける若手は多いのでしょうか。そんな話をよく耳にしますが、20代である私の周りには少ないように思います。

コロナ禍でZoomなどを活用した「リモート飲み会」も話題になり、若手が上司との飲み会を避けるというのはどうも私の感覚とずれているなと感じました。そこで、世の中の若手が上司との飲み会を嫌がっているのか調査してみました。

若手は飲みニケーションを避けるのか

職場環境から離れて、お酒を交えながら仕事だけでなくプライベートな話題も含めてすることで距離を縮める手段の一つである、酒席での「飲みニケーション」。

しかしハラスメントが注目を集めるようになるにつれ、上司部下の双方で「避けた方がいい」という認識が生まれつつあります。特に「アルハラ」になることを恐れて、距離を縮めたいと思いつつ部下を飲みに誘いづらいと感じている方が増えてきています。

私も実際に年齢が一回り離れた上司から「部下を誘いたいけど飲みに誘いづらい」と相談されたこともあります。

そんな「飲みニケーション」について、若手はどう思っているのでしょうか。バカルディジャパン株式会社が2019年に実施した「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」を見てみました。

その中の「飲みニケーションが社内の円滑なコミュニケーションに役立つと思うか」という質問に対して、20代の半数以上が「とてもそう思う」「そう思う」と答えています。年代別に見たときに、飲みニケーションが円滑なコミュニケーションに結びつくと過半数が答えたのは20代だけとなりました。

また、同調査で会社の上司、同僚、部下それぞれと飲みに行く回数も、「対上司」「対同僚」「対部下」全ての項目で20代が最も多い結果でした。

若手が飲みニケーションを避ける傾向があると言われているものの、他の世代と比較して極端に避けているということはないですし、むしろ効果を感じているということが分かります。

飲みニケーションのメリット

若手はどんな点において飲みニケーションのメリット・デメリットを感じているのでしょうか。どうやら、今どき若手の価値観にも繋がっているようです。

以前、「今どき若手の仕事観を若手が考察してみた」という記事の中で、今の若手が求めているのは物やステータスではなく「意味合い」「没頭」「良好な人間関係」だと紹介しました。良好な人間関係を求めているからこそ、上司とも関係性を築きたいと思っています。

同調査でも、上司との距離が近くなることや仕事上のアドバイスをもらえること、仕事上の様々な経験を教えてもらえることをメリットと感じています。

一方で「意味合い」を重視するため、無駄な時間を避けたがります。飲みながら説教されたり、上司の武勇伝や自慢話を聞かされるだけの場は極力参加したくないと思っています。

しかし、自分の話が若手にとって有意義な「アドバイス・仕事の経験談」と捉えられるのか、退屈な「説教・武勇伝」と捉えられてしまうのかは紙一重の差です。

若手にとって有意義な時間となり距離を縮めるために、どんなことに意識をすればいいのでしょうか。

上司の振る舞いとして意識すること

自分の話が「アドバイス・仕事の経験談」になるか「武勇伝・自慢話」になるかの違いは、「部下が求めているものかどうか」によります。ただ、ピンポイントで求めているものを当てにいく必要はありません。

普段悩んでいそうかどうか、どんなことに意識が向いているのかを部下の表情や何気ない仕草、言葉選びから何となく感じる程度で十分です。そうして感じ取ったことをヒントに、酒席では「話すと聞くのバランス」を心がけてください。

立場上どうしても上司が話し過ぎてしまいがちな場面ですが、一方的に喋り過ぎずに部下からも話しやすい状況を作りましょう。意識的には、話すと聞くを4:6くらいの割合で、少し部下の方が多く話せるような状況だと部下も気遣いせずに話しやすくなります。

最後に、普段の関わりを良好に保つことももちろん大切です。部下から見て普段とっつきづらい上司とは、いくら酒席であっても気を遣って話をしづらいものです。

普段の関わりを良好にするには「ラポール(=信頼関係)」を築くことです。

ここでいう信頼関係とは、実績やポジションから成り立つものではなく、安心感や信頼感を感じるような感覚的なものです。

「誠意」「好意」「敬意」を感じてもらうことでラポールを築くことができます。ラポールについては、「部下とプライベートについて話せる関係になるには」という記事でも詳しく解説していますのでこちらもご参照ください。

飲みニケーションは日常とは少し違った環境で少し違った話をする絶好の機会です。だからこそ、これらのことを意識することでお互いにとってより有意義な時間に繋げていただければと思います。

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