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HR・テクノロジー動向

【入門編】今更聞けない「HRtechって、何?」

「HRテック」という言葉をご存知でしょうか。HRテックとは、「Human Resource Technology」の略です。

人事に関連する業務をテクノロジーで補い、高度化するためのツールたちの総称ですが、人事に携わっている方なら、近年よく耳にするようになったかもしれません。

コロナ禍でリモートワークやテレワークが普及しつつあるなか、「HRデジタルトランスフォーメーション」なども、よく取り上げられるようになりました。

では、HRテックで具体的に何ができるのでしょうか?

このシリーズでは大まかなHRテックのカテゴリー分けと、HRテック商品の選び方、他の企業の導入理由や事例などについて紹介します。

HRテックをご存知の方も、特定の領域の商品以外あまり触れたことがなければ、参考になると思います。

業務効率化に役立つHRテック

記念すべき連載第一回は、手始めに基本となる業務効率化の内容をカバーしていきます。

HRテックの商品は主に2種類の目的で使われることが多いです。

1つ目は「効率化」で、2つ目は「高度化」です。

「効率化」とは、不要な作業を減らすことです。

さらに付加価値を追加していくかが「高度化」となります。

人事の業務は、採用、給与計算などの事務作業から、人事戦略まで。実に多岐に渡ります。(とても忙しい。)

そのため、できる限り、不要な業務を減らし、効率化することが重要になります。

今回ご紹介するものは、日常的な作業の効率化を目的とします。しかし、技術が進歩している現在では、効率化だけに特化している商品も少なくなってきているため、付加価値にも目を向けつつ、紹介しようと思います。

それでは早速、業務効率化のツールを紹介していきます。

社内質問は「Chat Bot」で

「年末調整の提出期限はいつまでですか?」

「源泉徴収票ってどこで出してもらえますか」

「扶養家族を追加するにはどうしたらいいですか?」

「結婚しました。お祝い金はどこで貰えばいいですか。」

などなど、人事には些細なことから重要なことまで、毎日怒涛のように質問がきます。

大企業なら社員のサポートデスクを設けているところもありますが、人事や総務でそれら全ての対応をしていることが多いでしょう。

場合によっては、質問者の個別情報を確認してから、電話を折り返したり、別途他部署とメールでやりとりをしなければならず、結果多くの時間を社内対応に取られることになります。

その無限トンネルのような悩みを解決してくれるのが、社内専用チャットボットです。

ECサイトなどのカスタマーサービスですでに馴染みのあるチャットボットですが、近年AIやマシンラーニングの技術の高度化により、大きな進化を遂げています。

少し複雑な質問にも瞬時で答え、データベースから情報を引き出し、回答をカスタマイズできるようになっています。

選び方

コツその1:AIの成熟度、または新しい技術だったりすることもあるので、商品の内容をしっかり見極めておきましょう。
コツその2:社内の総務などの関連部署と調整をしてから選びましょう。

せっかく導入するのであれば社内や導入部門のニーズに合わせて、最適なものを選びたいですよね。

導入工数とコストの削減にも繋がります。日本では「CB-4」や「AI-Q」などのIBM Watsonを活用したチャットボットが凌ぎを削っており、他にも「hitTO」などがあります。

IBM Watsonを利用しているので、すでに完成されているAIを使っているため、成熟度が高いと判断できますが、運用している商品自体が自社に適している物とは限りません。

HRテックは、ベンチャー企業から優れた商品が出ていることも多く、社名だけで判断するのはとてももったいないことです。

「聞いたことがある」という安心感で決めずに、しっかりと商品の詳細を確認しましょう。

複数の採用管理画面は一元化しよう

毎日のように何個もタブを開いて、いろんな採用管理ページから応募者情報を確認して、スカウトを送って、メッセージの返事をしていませんか?

それとも久々に採用の管理画面にログインしようとしたら、「パスワード忘れた!」とパスワードを何度も再発行していませんか?

無限に増える採用のプラットフォームを一元管理できるのが、ATSなどの採用管理システムです。日本でも現在採用プラットフォームを展開する各大手企業が廉価で提供しており、有名どころでいうと「HRMOS CORE」や「リクオプ」、「ジョブオプ」、「ヒトマネ」や「EntryPocket」などがあります。それぞれキャリア採用に特化していたり、アルバイト採用に強かったりと特徴があります。採用の一元化と合わせて、採用する際のデータの分析や返信忘れのリマインド、自社HPでの採用ページの作成など、採用に関する業務をまとめてくれる機能などもあります。導入していると採用業務がとても楽になりますので、ぜひ検討してみてください。

選び方

ATSや採用管理システムに関しては連携可能サービスやUIを除き、機能に大きな差があるところは少ないのが現状です。

ですが、一度導入した商品から別のものに乗り換えた時、蓄積されたデータが全て消えてしまうことが多いのでご注意いただきたい。

選ぶ時は、費用だけでなく、自社がよく使うプラットフォームと親和性の高さ、アフタフォローの内容などもご確認の上、

自社で最も使いやすいものを検討してみてください。

シフト調整はAIに丸投げ

率直に言います、まだエクセルを睨んでシフト調整してるんですか?

え?もしかして印刷した物マルバツしてるんですか?

そんな日々とそろそろおさらばしましょう!

シフト調整は今やAIが調整してくれる時代です。「ジョブカン勤怠管理」や「KING of TIME」「スマレジ・タイムカード」など、実に様々なサービスが世に出ているので、資料を取り寄せて、自社に合ったサービスを探してみてください。

選び方

シフトを調整している責任者の希望をしっかり聞いてから、商品選びを始めましょう。

シフトだけ調整すればいいのか、提出の催促までやって欲しいのか、欠員が出た時、臨時で出られる人を探す機能も必要なのかなど。

それぞれのサービスに特徴がある分、現場の声をしっかり聞いてから、商品の比較検討をすると良いでしょう。

退屈で膨大な労務管理業務を楽に

 

社会保険や新入社員と退職者書類作成、年金やら税金やら給与計算にボーナス、休日や手当などなど、年中何かに追われている気がしてくることありませんか?

むしろまだ労務管理などができるシステムを導入していない企業の方が少ないので、この項目を最後にしましたが、貴社のその労務管理システムは使いやすいですか?

10年前にカスタマイズで作ったちょっと時代遅れのシステムなら、ぜひ最新のHRテック商品をご検討ください。かなり進化しているので、仕事がうんと楽になるかもしれません。

例えばSmartHR」とjinjer 労務は入社手続きを始めとした、面倒な労務全て自働化、オンライン化してくれるサービスです。

これまで手書きで作成していた書類を、フォームに入力するだけで自動で作成できたり、ハローワークや年金事務所への申請がWeb上で完結します。

Bizer」は社労士に質問できて、業務の依頼ができるなど、労務担当者の人手が不足していたり、お抱えの社労士さんがいない場合はとても便利です。

選び方

他のサービスと共通することですが、自社のニーズに合わせて選びましょう

労務管理に関しては、最も歴史が長いHRテックとも言えますので、サービスの内容は進化の過程の中で競争を勝ち抜くために差別化されています。

どれも優れている商品が市場で地位を獲得しているので、あれもこれもできることがわかるとつい目移りをしてしまいます。

労務管理のHRテックの中には、社員に入力してもらえるものもあったり、業務をアウトソースするものがあったりします。

自社の業務のどこが重くて、どういう手を打っていきたいのか、社員にどれだけ作業を振るのか。

いかがでしたか?

一回目はあくまでマイナスを0にする、効率化のところの商品と、それらの選び方を紹介してみました。今後多岐にわたるHRテック商品を続々紹介していきたいと思います。効率化のものはもちろん、高度化も含めて、詳しく紹介していきますので、次回もお楽しみに。

BELLWETHER

Bellwetherは、現場をなんとかしたいと思っているリーダーに向けて発信する、マネジメントメディアです。株式会社KAKEAIが運営しています。これから管理職に就こうとしているリーダーに、マネジメントとは何かを感じ取るための、様々な考え方や理論、組織を牽引するリーダーの考え方を幅広く紹介します。多様性を楽しみ、解なき複雑な時代に挑むリーダーを応援します。

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