1. HOME
  2. マネジメントを変える
  3. 君と同じ方向をみる。君と一緒に事業を創る
マネジメントを変える

君と同じ方向をみる。君と一緒に事業を創る

マネジメントって何だか掴めないものですよね。皆さんも「マネジメントって何だろう」、「しっかりと成果を出せるだろうか」と思っていたりしませんか。日々、悩んでいる方もいるかもしれません。

そんな中で、世の中のリーダーは「マネジメント」をどう捉えているのでしょうか。本連載では、幅広い業界のリーダーに、「マネジメントとは何か」を尋ねます。現場の声を取り上げ、これからマネジメントに携わる人たちに、ナレッジとして共有します。今回は日本を代表する製薬会社、アステラス製薬で約50人のメンバーと共に新規事業開発に取り組む、渡辺勇太さんにお話を伺いました。

紹介文
渡辺 勇太(わたなべ ゆうた)
アステラス製薬株式会社 Rx+事業創成部長
1994年旧山之内製薬株式会社入社。
臨床試験の企画・推進を担ったのち、国内外においてグローバルプロジェクトリーダーとして医薬品のグローバル開発の推進に従事。
開発機能企画部門長としてヒト、モノ、カネのマネジメントや新プロセス開発・導入に携わったのち、2018年4月より現職。

大切なことは、同じ方向を見ること

——早速ですが、ずばりマネジメントとは何でしょうか?

「まず当然ながら、成果を出すことですね。そしてそのために、常に相手の気持ちに寄り添うことを意識しています。その人が最大限の成果を発揮するために、その人に合った形で接するようにしています。

そのため、相手と同じ土俵に立つことを意識しています。例えば同じ言葉を使っても、その言葉に基づく背景は人によって違いますから。本人と同じ土俵に立つために、言葉を繰り返し、その言葉の意味を真剣に聞こうとする中で、自分が素直に驚いたり感動したりもできます。

そして、本人と同じ土俵に立つためには「共感」することが必要です。相手と同じ方向を向いて一緒に先を見ることが大切だと思っています。企業の業績が右肩上がりの時代には、「今がこうだから」という前提で将来を想像して行動を決めることで成功していました。

だから上司の経験に意味があったといえます。しかし今は社会が大きく変わっていて、誰も経験したことのない事態が起こり得ます。だからこそ、メンバーと同じ土俵に立ち、描く未来を一緒に考えることが重要だと思っています。」

渡辺さんに書いて頂きました

誰かと比べるのは止めた

——「相手と同じ方向を向いて一緒に先を見ること」は簡単にできるものではないと思うのですが、意識していることはありますか?

「素直な気持ちが重要なのだと思います。例えば人を褒める時には、相手のスキルや成果を、他の誰かと比べて相対的に評価、批判してしまうと、褒めることが難しくなると思います。私はそれはやめて、今の私自身と比べるようにしています。私と比べて、素直に自分がすごいと思った時に「すごい」と言います。

例えば、若手の部下がとても誠実にハキハキと分かりやすくプレゼンをした時には、素直にすごいと思いますし、褒めます。私はそんなに爽やかにプレゼンできませんからね。笑
その上で、より良くなるためにアドバイスをするようにしています」

お忙しい中で快く取材を受けてくださいました

初めての新規事業で責任者に

——マネジメントについて今の考え方となるきっかけはあったのですか?

「強く意識するようになったのは、2018年4月に新規事業を担当する部門長になった時からです。既存事業とは異なり、『新規』事業なのですから、言ってみれば誰も経験がないことを進めなければならないわけです。
初めは「ある程度自分が引っ張らなくては」と思っていました。

ただ、チームで会話する中でそれぞれのメンバーが新規事業に強い興味と意思を持ち、勉強して知識もある人が多いと気づきました。そんな中で、どうしたら新規事業を起こせるかと考えた時に、皆と「同じ土俵に立つこと」を意識するようになりましたね。

メンバーがそれぞれ持っていた新規事業への意思や経験、想いを軸に走って行こうと決めました。それに衝撃を受けた部下もいたみたいです。ある時にメンバーから部門のビジョンを聞かれた時がありました。
それに対して私は「一方的に示すビジョンはない、みんなで一緒に作っていきたい」と言いました。かなり驚かれましたけどね。

新事業を作り上げるという私達のミッションはアステラス製薬の中期計画の3本の柱の一つでしたから、メンバーはきっと、私が何かしらの具体的なアイデアを持っていて、提示してくれると思っていたのかもしれません」

とても優しく、丁寧にお話をしてくださいました

部下を委縮させてはいけない

――具体的にメンバーに接する時に意識していることは?

「指摘する時はしっかり指摘しますよ。ただ、相手が恐怖を感じたり、萎縮しないように気をつけています。シンプルに、私が素直に分からないことを質問します。

そして、私が理解できるように説明することに集中してもらっています。理解してもらうということは、新規事業でも、どんな仕事でも大切なことです。周囲に理解してもらえなければ、投資もしてもらえませんし、周囲の協力を得ることもできませんから。」

一緒に作ってこう!

――最後にこれから管理職になる人にメッセージをお願いします。

「管理職は何かの箱に部下を押し込めるのではなく、「一緒に仕事を作っていこう」、「人として一緒に成長していこう」という心持ちが大切だと思います。その気持ちが持てれば全てが楽しくなります。

部下を箱に押し込めようとするから、上司も部下もストレスが溜まるのだと思います。そして責任は自分が取るという覚悟を持って、しっかり部下とコミュニケーションを取りながら、一緒に仕事を作っていってください。」

BELLWETHER

Bellwetherは、現場をなんとかしたいと思っているリーダーに向けて発信する、マネジメントメディアです。株式会社KAKEAIが運営しています。これから管理職に就こうとしているリーダーに、マネジメントとは何かを感じ取るための、様々な考え方や理論、組織を牽引するリーダーの考え方を幅広く紹介します。多様性を楽しみ、解なき複雑な時代に挑むリーダーを応援します。

アクセスランキング