
部下から見た信頼できるリーダー像とは
リーダーには信頼が不可欠です。
それはなんとなく誰しもが感じていることですが、だからこそリーダーという役割と信頼という言葉の持つ意味についてしっかり理解することが必要です。
部下はどんなリーダーに信頼を寄せるのか解説していきます。
信用と信頼の違い
「信頼」という言葉の意味を、「信用」という類義語と比較して考えてみます。
国語辞典によると、信頼とは
信じて頼りにすること。信用して任せること。また、その気持ち。
「部下を―する」「―を裏切る」
とあります。
信じて頼る、という言葉の成り立ちにもある通り、未来に対して行われる行為が信頼です。
さて、信用という言葉が出てきました。
信用とは
言動を確かなものと信じて受け入れること。
「彼の言葉を―する」
それまでの言動や業績から、信頼できるものと認めること。また、そのような評価。
「―を失う」
とあります。
過去の発言や行動に対して行われる行為が信用です。
信頼(=信じて頼る)は、すぐできることではないはずです。
皆さんは頼っていい人かどうか判断する時に、これまでの言動からそれを判断するのではないでしょうか。
人は信用を元に信頼するのです。
リーダーとは
リーダーという存在も同時に定義していきます。
特に企業の中ではマネジャーの手前のステップとしてリーダーという役割をおいている会社も多いため、マネジャーの手前の役職という位置付けをイメージする方が多いと思いますが、今回は組織の中での立場や役職ではなく、組織を牽引するという観点でのリーダーという存在について定義していきます。
混同されやすいマネジャーの語源となるmanageには、「管理する」「(組織集団を)うまく扱う」といった意味があります。
チームや組織を管理し、パフォーマンスを最大化する存在がマネジャーの役割です。
対してリーダーの語源となるleadは、「導く」「先導する」という意味です。
つまり、先頭に立って個人や組織を未来へと導く存在がリーダーです。
リーダーが個人や組織を未来へと導くということは言い換えると、個人や組織がリーダーについていくということを意味します。
リーダーについていこうと思えないと、そもそもリーダーは個人や組織を導くことができません。
未来に向かって先導するリーダーと個人・組織を繋ぐもの、それこそが「信頼」です。
部下が信頼するリーダー像とは
人は信用を元に信頼すると前述しました。
リーダーと部下という関係性に言及すると、この人は自分のことを裏切らないリーダーだという事実を信用し、信頼します。
部下からみた裏切らないリーダーとはつまり「自分のことを尊重して、本気で考えてくれる」リーダーです。
何故なら、企業という組織において部下の立場はリーダーの言動によって多分に左右されるからです。
リーダーの指示で部下は動きます。
言っていることが一貫しているリーダーを信用することはできますが、言っていることがコロコロ変わるリーダーからは尊重されている実感を得られず、信用もできません。
リーダーの評価を受けて部下は内省します。
自分のことを真剣に考えてフィードバックを貰えれば信用できますが、いつも話を遮り批判的なことばかり言ってくるリーダーについていこうとは思えません。
部下が中々自分に本音を伝えてくれないと感じた時には、自分の言動を客観的に振り返り、部下が信用できるような振る舞いができているか見つめ直してみましょう。
部下の将来と向き合う
リーダーとは、個人や組織を未来へと導く存在だと前述しました。
組織だけでなく、個人も未来へ導かなければいけません。
個人を未来へ導くとは、将来像を描くだけでなく、それを今と結びつけた上で伴走するということです。
- どんな将来に向かっていくのか(将来像を描く)
- その将来に向けて今の業務にどう向き合っていけばいいのか(今と結びつける)
- その将来に向けてリーダーとしてどのように部下に関わっていくのか(伴走する)
ということについて部下と一緒に考えていきましょう。
真剣に向き合えば向き合うほど、部下もリーダーとして信頼を寄せてくれるはずです。
部下はリーダーの何気ない言動に敏感です。
組織にとって方向性を定めて導くリーダーという存在が必要不可欠だからこそ、自分の言動が部下から見て信用できるものか、信頼してもらえるものかどうか客観的に振り返ってみましょう。