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チームを強くする

富士通フロンティアーズの競り勝てるチーム作り(前編)

チームを強くする

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アメリカンフットボールの日本最高峰・Xリーグで史上初となる5連覇を目指す「富士通フロンティアーズ」。ゼネラルマネジャーを務める常盤 真也氏に「勝てるチーム作り」についてお話を伺いました。

本連載では、幅広い業界のリーダーに、「マネジメント」や「チーム作り」についてお話をお伺いし、これからマネジメントに携わる人たちに、明日から取り組めるヒントをお届けします。

■紹介文
常盤 真也
富士通株式会社 富士通アメリカンフットボール部
富士通フロンティアーズ ゼネラルマネジャー
中央大学時代にアメリカンフットボール部 ラクーンズでプレー。卒業後、富士通株式会社に入社。営業担当として通常業務を遂行しながら、富士通アメリカンフットボール部 富士通フロンティアーズにてプレイヤーとして活躍。選手引退後、中央大学アメリカンフットボール部 ラクーンズのコーチを経て、2014年より富士通フロンティアーズのゼネラルマネジャーに就任。

【富士通フロンティアーズ】
富士通グループのアメリカンフットボール経験者が集まり、同好会として発足。1985年、“アマチュアリズムで仕事もフットボールも日本一に”をスローガンに、日本アメリカンフットボール界の開拓者となることを誓い「FRONTIERS」と命名。創部3年目には社会人最高峰の1部リーグに昇格した。
2014年のシーズン創部30年目にして、6度目の出場となるJAPAN X BOWLで初めて勝利し、社会人日本一に。2019年シーズン、史上最多タイの4連覇を達成。2020年シーズンは前人未到の5連覇を目指す。

自信やメンタリティ「勝ちへのこだわり」がチームを変える

ーー富士通フロンティアーズのゼネラルマネジャー(以下、GM)としてどのような役割を担われているのでしょうか?
「GMというのは、プロスポーツで言えば「球団社長」のような役割です。富士通フロンティアーズの選手はもちろん、コーチ、トレーナー、スタッフをマネジメントする中では『それぞれの良さを見出すこと』と『いかにストレスなく活動させられるか』に注力しています」

「私自身が、選手、コーチを経てGMに就任していますので、それぞれの立場で大切にしたいことがよくわかります。また、富士通フロンティアーズは、熱い想いのあるレベルの高いメンバーが集まったチームです」

「ですから、それぞれの選手やコーチの間に立って全体を俯瞰して“隙間”を埋めるような動きをすることが多いです」

「また、富士通フロンティアーズのメンバーは、“仕事”も他の社員と同様に担当していますから、仕事とアメフトの両立は、チームに関わるメンバー全ての共通のテーマです」

「両立の阻害要因を取り除くことはもちろん、仕事でしっかり成果を出して評価を得られるような環境を整えることも役割の一つです」

ーー富士通フロンティアーズは、2019年シーズンで史上最多タイの4連覇を達成されました。どのように強いチームを作ってこられたのでしょうか?

「富士通フロンティアーズは、2014年当時は “ No.2のチーム” で、『競って、競って負ける』ことが多いチームでした。GMに就任した時に『根本的に何かを変えないといけない』と感じました」

「そこで、海外選手の補強を行いました。海外のレベルの高い選手をチームに招き入れたのですが、その際に重視したのは一言でいえば “ 姿勢” です」

「具体的には『アメリカンフットボールは神聖なものなのだ』という競技に対するリスペクトや、『負けるのはキライ』という勝負へのこだわりですよね」

「そうした意識が高い選手の言動を目の当たりにすると、他のチームのメンバーへも同じような意識が波及していきます。 “ 勝ちへのこだわり” がチームの当たり前になり、チームの自信に繋がっていったと思います」

「その後も、毎年1つのテーマを掲げてきました。『シーズンでの負けゼロを目指す』、『フィールドに人工芝を整備し、環境を整えたから更なる飛躍を』など全員が何に向かっているのかを意識できるように “ 強調” して伝えてきています」

「図らずも招聘したクォーターバック主力選手が海外チームに移籍した時も、それをチャンスに変えることが出来ました。2019年のシリーズは、全勝優勝でしたが、2試合ほど非常に難しい試合がありました」

「結果的に勝利できたのは、チームに関わる全員が『絶対に勝つ』、『負ける気がしない』という気持ちがあったからこそです。抽象的かもしれませんが、そうした自信やメンタリティはチームが勝利する上ではとても大切な要素だと思います」

ーー「勝ち癖」、「負け癖」という言葉があります。勉強やビジネスでも「勝ち癖」があると一回きりではなく、成功を積み重ねられると言われます。常盤GMは、「勝ち癖」とは何だと思われますか?

「勝ち癖とは、『努力が実った』という成功体験ではないかと思います。成功体験があれば、その後は勝つために努力を惜しまなくなり、結果として勝ちを重ねることができる。このようなイメージでプラスのスパイラルが回っていくのではないでしょうか」

「逆に負け癖は、努力しているにもかかわらず結果が出ず、努力そのものに疑心暗鬼になっている状態。結果として迷走し、マイナスのスパイラルに陥っているのではないかと考えます。だからこそ、どこかで一度ブレイクスルーする事は非常に重要です」

メンバーの心に響かせるストーリーを伝える

ーーチームでのコミュニケーションにおいて工夫されていることがあれば教えてください。

「アメフトでは、プレーをビデオ撮影して、選手とコーチが一緒にビデオを見ながら試合やトレーニングの振り返りを行います。選手は普段通常業務を行っているため、ビデオレビューや面談は、これまでもリモートでのオンラインコミュニケーションも活用しながら行っていました」

「これはアメフトのチームでは一般的な取り組みだとは思いますが、オンラインと対面のミックスはコロナ以前から先取りしていたとも言えますね」

「報告や連絡はオンラインでのコミュニケーションで全く問題ありませんが、意識の統一を図りたいことや重要なことは、敢えて対面の場を待って伝えるようにしています」

「また、オンラインのコミュニケーションの場合は、発言のタイムラグもあり、議論しにくい面があります。共創することが必要な戦術のディスカッションなどは対面で行うなどの工夫をしています」

「また、GMとしてという観点では、チームへのメッセージの浸透のさせ方は意識しています。私自身の言葉で伝えることも当然ですが、例えば、弊社社長や富士通フロンティアーズが ”かわさきスポーツパートナー”として関わらせていただいている川崎市の市長からコメントをいただくこともあります」

「チームの中だけではなく、周囲の支えてくださる方の声や期待をしっかり伝えていくことで、メンバーの心に響かせていくということですね。せっかく与えてもらったものをチームとして活かしていくには、メンバー個々人がチームの状態をストーリーとして理解できるように伝えていくことが有効だと思います」

富士通フロンティアーズ 個の力の引き出し方(後編)

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